参加者が全員初参加の会でした。エッセイ、ノンフィクション、小説、洋書が紹介され、気づけば2時間が経っていました。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。
特定の著者が好きな方が集まると自然に話が盛り上がりますね。今回は村上春樹の作品が話題にあがりました。最新刊の「一人称単数」はもちろん(主催者は未読…)、作品の中に登場する舞台に足を運んだ体験や、著者の作品が学校の授業でどのように扱われているのかといった話にみなさん興味津々でした。
紹介いただく本だけではなく、関連する話にも読書会のおもしろさがあります。そういう話にこそ個性が現れるので、主催者は楽しみにしています。今回は文学フリマの話をうかがい、知らない世界を垣間見た気がしました。
本を楽しんで読んでいる人に来ていただくと話が盛り上がります。今回も、本を読むのが本当に好きなんだなぁと、みなさんのお話を聞きながら感じました。読み終えるたびに、次に読みたい本が増えていくのは幸せですね。
★注目の一冊★
『カンガルー日和』村上春樹
この短篇集の中に『鏡』という作品があります。実は、この作品、高校の国語の教材に選ばれていたこともあるそうです。
教材に選ばれた作品を通して、生徒はものの見方、感じ方、考え方を豊かにしていきます。なので先生たちは、その時期の生徒に必要なものを身につけさせるために、工夫して授業をつくる。そうとは知らないわたしたちは、純粋に物語を楽しんでいたわけです。ちょっとした衝撃を受けますよね。
同じ作品でも「学習目標」を知っていて読むのと、まっさらな状態で読むのとでは、きっと受ける印象が異なるでしょう。今回は、『鏡』の学習指導要領(指導案?)を読んでから、学校で読んだ作品を再読するという、新たな読書の楽しみ方(!)を教えていただきました。皆さんもぜひ読み比べてみて下さいね。
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