ふだん意識せずにしている読書そのものについて、人生に大きな影響を与え続けている本について、何百年も読み継がれている本についての会話が弾みました。
多読は著者の考えをそのまま受け入れる観点からは思考停止の可能性を孕んでいること、何度も読み返す本に出会えるのは幸せだということ、歴史を勉強すると古典をもっと楽しめるようになることなどおもしろい話ばかりでした。
★注目の一冊★
『ラ・ロシュフコー箴言集』ラ・ロシュフコー
「われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳に過ぎない」という冒頭の一句が示すように、本書は人間の美徳を賛美するのではなく、そこに隠されている負の側面に焦点を当て、手厳しい考察が盛り込まれている。17世紀にフランスの貴族でありながら従軍した経験を持つ著者が後半生に執筆した作品であり、語録の形式をとっているため、どこから読んでも楽しめる。世の中はきれいごとだけでは片付かないと感じている方には特におすすめ。
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