なごやか読書会は、神戸の三宮駅周辺で開催することが多いです。
その三宮駅には、JR・阪神・阪急・地下鉄の計四つの電車が止まります。
電車の乗り方さえマスターすれば(そしてコロナウイルス感染症が収束すれば)、三宮から京都大阪はもちろん、奈良や和歌山にも気軽に行くことができます。
なかでも、三宮と梅田を結ぶ阪神線は、県立美術館での美術鑑賞、酒蔵巡り、甲子園球場での野球観戦の時は重宝します。でもそれだけではありません。実は、文学的な場所にも連れて行ってくれるのです。
今日は、そんな阪神沿線ゆかりの文学について、紹介したいと思います。
阪神KANお散歩マップは、神戸市東灘区、芦屋市、西宮市、阪神電鉄による「阪神間連携ブランド発信協議会」によって発行されている小冊子です。
毎回異なるテーマで特集を組まれているのですが、vol.4は阪神間の文学編です。
例えば、芦屋市立図書館打出分室は、芦屋ゆかりの作家・小川洋子の『ミーナの行進』に登場します。
少年時代を阪神間で過ごした村上春樹の作品に出てくる場所のモデルもいくつかあり、打出公園 サルの檻は『風の歌を聴け』に、葦原橋は『ランゲルハンス島の午後』に出てきます。
阪神香櫨園駅周辺は、宮本輝の『青が散る』の舞台。
同じく芦屋市には、俳人・高浜虚子の虚子記念文学館もあります。
また、こちらは阪急沿線ですが、有川浩の『阪急電車』は映画にもなりました。
阪急岡本駅の近くの岡本南公園(桜守公園)は水上勉の『櫻守』の主人公のモデルになった桜博士・笹部新太郎の邸宅跡。
火垂るの墓の記念碑は、阪急苦楽園口駅の近くと、阪神石屋川駅の近くの二つあります。
(書影は版元ドットコムより)
好きな作品の聖地巡りほど、知的好奇心をくすぐる散歩はありません。筆者(羽)も何度、某作品の聖地へ足を運んだことか。これは語ると長いので、また機会があればお話しすることにしましょう。
阪神KANお散歩マップのバックナンバーは、ウェブ上でも見られます。
また、市役所や図書館などで配布されており、図書館資料として保存されているので借りることもできますよ。
ぜひ、マップを片手に阪神間の文学巡りを楽しんでみてください♪
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